「縋る(すがる)」ということ ― 2007年06月18日 17時42分36秒
ある、会計士さんから教えていただいた事があります。「縋るということは、自分の人生に対して責任を取る事のない相手に、大切な自分の人生を預ける事だ。」
以前参加したMLMでの話。その時僕が参加した会社をA社とします。外資のちゃんとした会社だったし、製品も確かに良かった。プランはちょっと古めかしい感じではあったけれど、日本上陸直前のタイミングで参加出来たのですから、悪い話ではありませんでした。けれど、なかなか思う様にいかないのがMLMというものです。特に、本来ならば仕事を教えてくれるはずのアップラインが海外に住んでいる人だったものですから、仕事の進め方が全く分からなかったという事も影響していたと思います。僕の紹介者は以前から仲の良い友達だったけれど、彼に話を持ってきた人はアメリカ在住の方でしたし、当然その先は全員アメリカ在住の方でした。そして、僕も僕の紹介者も、MLM初心者。ですから、僕以上に僕の紹介者はアップラインで苦しんでいたと思います。
A社の仕事を1年くらいして。なかなか思う様にグループが大きくならず、もうダメかなと思っていた頃に、僕の紹介者が一人の人を紹介してくれました。Xさんとしましょう。
「Xさんは今B社の○○(B社の最高タイトル)なんだけれど、諸々の事情から近々C社に移る事にしたんだって。それで、僕たちも一緒にC社に移れば、Xさんにちゃんと引っ張ってもらえると思うんだ」というのが僕の紹介者の提案でした。
B社は現在でも名のある会社ですが、日本上陸から当時でも確か5年以上経っていました。B社と同じ様な規模のA社が日本に上陸する直前から参加していた僕たちにとって、B社に移るという話であれば、いくらアップラインがしっかりしていても受け入れられる事ではありませんでした。しかし、C社はB社とほぼ同時期に日本に来た会社でした。製品は個人的にはA社のものの方がC社のものより良いんじゃないかとは思ったけれど悪いわけではありませんでした。むしろ、これでアップラインがしっかりしてくれるならば十分移る価値のあるものだと思いました。更に、僕がA社を紹介した人も皆同意してくれたという事も後押しし、僕はこの提案に乗りました。
Xさんは、とてもカリスマ性のある人でした。話は雄弁で説得力がありました。実績も出していました。その人に「安心してついておいで。必ず成功させてあげるから。」と言われ、僕はまた頑張って仕事をしました。
しかし、暫くするとXさんの話の中に沢山の嘘がある事に気づいたんです。それでも、多少の嘘は仕方ないよねと、自分で自分をごまかしながら仕事を続けました。その結果、僕の紹介者以下のグループは崩壊しました。
全ての責任がXさんにあった訳ではありません。僕たちにも色々な問題はありました。Xさんの話を鵜呑みにしたことで、つかなくても良い嘘を沢山僕の身の回りの人たちにしてしまった事もそうです。MLMの仕事が完全に軌道に乗る前に、MLMで集まった人たちで別な事業を立ち上げようとしましたから、これが一番大きな、グループ崩壊の直接的な原因にもなってしまいました。
けれど、「縋るということは、自分の人生に対して責任を取る事のない相手に、大切な自分の人生を預ける事だ。」という言葉を聞いた時、僕はハッとしたんです。あの時の何よりも大きな失敗は、Xさんに縋ろうとしていた事だったのではないかと思ったんです。Xさんだけではありません。僕は僕の紹介者にも、僕が紹介した人達にも、縋ろうとしていたのではないかということに気づいたんです。
誰でも、誰か・何かに縋りたくなる事ってあると思います。仕事が思い通りに行かない時。悲しい出来事が沢山起きた時。自分の力ではどうしようもない事態に追いやられ、自分がいかに無力であったかということを身にしみて思い知らされた時。未来に希望を持てなくなってしまった時・・・。どんなに強い人でも、縋る何かが欲しくなる時はあると思います。けれど、自分の人生に責任を持つ事が出来るのは、自分以外にはあり得ないのだと言うことを僕たちははっきり認識しなくてはいけないと思うんです。
MLMに限らず、成功した人から学ぶ事は大切な事です。しかし、成功者から学ぶ事と、成功者に縋る事とは全く別の事だという事を肝に銘じなくてはなりません。また、MLMは他人の人脈をアテにする仕事でもあります。けれど、人脈をアテにすることと、人脈のある人に縋る事とは全く別の事だという事を肝に銘じなくてはなりません。
「縋るということは、自分の人生に対して責任を取る事のない相手に、大切な自分の人生を預ける事だ。」
いい言葉ですね。僕の大好きな言葉の一つです。
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